銀河の雫
お見合いから帰ったあの子に聞いたのだった。
「お見合い、あの後、どうでした?」
「僕から返事をしたいから、返事をせずに待って欲しいと伝えて、了承を得ました」
「まぁ……そんなことが。……それで、仲人さんにはどう返事をしておきますか?」
「はい、結婚を前提にお付き合いをしたいと……そう伝えてもらえますか」
「それを聞いて、私は天にも昇る気持ちだった。ずっと暗い顔をしていたあの子が、明るい表情で結婚に前向きな気持ちになるなんて」
「よほど、あなたのことを想っていたんだと感じたの」
「お付き合いを進める方向の話だったんですね……」
「えぇ、それなのにね、翌朝になったら急に暗い顔で……」
「母さん、昨日のことだけど、聞かなかったことにしてもらえますか」
「どういう意味?」
「今回の縁談は、お断りしてください」
「どうして?」
「……いえ、いいんです。仙台に、仕事に戻ります」
「……急に答えが変わったんですか?」
「えぇ、また気持ちが変わるかも知れないと思って、仙台からの連絡を待ったけど、結局、梨のつぶてでね」
「どうして急に陽さんの気が変わったと思われますか」
「……そうねぇ……分からない」
奥様は、再び、窓の外に目をやった。
空は雲が立ち込め、灰色に変わり、雪が降りだしていた。
ふわふわとした羽毛のような雪が、踊るように風で舞っていた。