銀河の雫
――それから十年後。
友人に誘われて行った仙台の国分町のクラブで有希香と再会した。
彼女は大人になって、あの頃より、さらに美しくなっていた。
また時計の針が動き出した。
ある晩、元気のない彼女に理由をしつこく聞いた。
母親が末期がんであることを知ったというのだ。
しかもその青森の母親のところに、息子を預けているという。
その子の年齢をしつこく聞いた。
するとどうだ、十歳になるというではないか。
彼女は頑なに否定したが、最後には本当のことを教えてくれた。
ふたりの間に授かった子だということを。
そして長い間、無理をして浴びるように酒を飲み続けたことで、肝臓を悪くしているとも言った。
時を同じくして、父である院長がその座を降りることとなった。
私が冷泉病院の院長になる日が来たのだ。
これからは、病院の経営も、家のことも、すべての決定権は私にある。
有希香を幸せにしたい。
どうしても手に入れたい。
私の欲望は再燃した。