銀河の雫
『……けれど陽、聞いて欲しい』
『私は前妻との子だって、お前たちと同じように想っていたんだ』
「……はい」
『実はこっそり頻繁に会いにも行っていたんだ』
「父さん……」
『あちらの長男と次男は医者、三男は経営学を専門としている』
「はい……もしや……」
『院長の座から降りることにした』
「院長を……」
『あぁ……前妻の長男を院長、次男を副院長、三男を事務長にする予定だ』
思ってもみない話だった。
『陽、冷泉家の長男はお前だ、お前はそれでいいか』
「……はい……はい、もちろんです、父さん」
涙が頬を伝い、止めどなく溢れてくる。
『済まなかったな、陽』
「いえ、いいえ、父さん……」
『小さかったお前に重い十字架を背負わせてしまっていた』
「……いえ……」
嗚咽でまともな言葉にならない。
『私がもっとお前の気持ちを思いやってあげられていたら……お前だって……』
「もう……それはいいんです」
『陽……そうだな、金貸しも立派な人助けだ』
「はい」
『しかも海外での大きなプロジェクトを任されるなんて、鼻が高いぞ』
「……はい」
『心配するな。前妻が亡くなって、あの子たちも思うところがあるのだろう』
『……不思議に思うかもしれんが、母さんのことはあの三人が親身になって支えてくれているんだ』
『お前と同様に人思いで本当に優しい子達だ』
「はい……」
『内心、母さんはお前が一番、可愛くて特別なんだ。……私だって……』
『……いや、母さんに顔を見せてやって欲しい。帰って来れるか?』
「はい、……父さん」