銀河の雫
「……陽さん、そんなことはもう水に流しましょう。そもそも、あなたに非はないんですから」
優真さんの言葉に、他のふたりもほほえんでうなずく。
「ですが……」
「確かに、最初は恨む気持ちもあった。子供の頃はね」
「学費だって生活費だって、不自由を感じたことはありませんでした」
「……それがどんなにありがたかったことか」
所長は首を横に振った。
「私のせいで……あなた方につらい思いを……」
「それは違う。私たちは傍に兄弟がいて、気持ちを分かち合うこともできた」
ゆっくりと優真さんが所長に歩み寄る。
「独りでつらい思いをしたのは、あなたじゃないですか」
他のふたりも所長を取り囲み、うなずく。
「そんなことは……」
「こっちに来てから昔の同級生に会いました」
「同級生に?」
「はい。クラスメイトに悪く言われ、除け者にされてたって。……それでも、なんの反論もしなかったと……」
「それは違います」
「何も違いません。だから」
「……」
優真さんは、そっと所長の肩に手を置いた。
「もう、いい加減、解放されてください」
所長の頬に涙が伝った。
「……ごめん……なさい」
肩を震わせて泣いている。
その背中にそっと手を当てた。