銀河の雫
『仙台、仙台……東北本線、仙石線、仙山線へお乗り換えの方は……』
「けど、お母様、容態が持ち直して本当に良かった」
「うん、それにあの三人がちゃんと見てくれてるしな」
「おばあちゃんから写真来たよ」
大也がスマホの画面をふたりに向けた。
そこにはベッドで起き上がったお母様と、その横で笑う三人の兄弟が写っていた。
「あぁ、本当だ」
「なんて書いてる?」
「イケメンな息子が三人も増えました……だって」
みんなで顔を合わせて笑った。
ホームに上りの、はやぶさが入って来た。
胸がぎゅっと締めつけられる。
陽さんと顔を見合わせる。
「そんな表情すんなよ」
「だって……」
言い終わる前に、彼の胸の中にいた。
「戻りたくなくなっちゃうだろ」
耳元でささやく。
「……それはダメ」
鼻先が触れ合うほど、至近距離で見つめ合う。
「愛してるよ……今までも、これからもずっと」
私の頬を伝った涙が、雫になる。
それを陽さんが人差し指で拭った。
「すぐに連絡するから」
顔を見上げ、軽くほほえんで、うなずいた。
「……じゃあ、俺、行くね」
そっと、お互いにゆっくりと離れる。
「うん……気を付けて」
「大也くん、お母さんを頼んだよ」
「うん、任せて」
大也もグータッチで返した。
アナウンスが流れ、新幹線がゆっくりと動き出す。
新幹線の窓から彼がふたりに手を振った。
その薬指には指輪が光ってる。
手を振り返す。
呼応するように、私の指輪も、きらり、と、光った。