銀河の雫
月曜の朝から仕事以外のことで、どっと疲れた。
また配布された案件を一件も終わらせることができないままだ。
「毎朝ここ通るたびにさ、ここのランチセット食べてみたかったんだよね」
「美味しそうだね。私もそのセットにしよっかな」
食券を買うとカウンター席に座った。
「所長に弁解できた?」
プラスチックのコップの水を口にしながら、薫さんが切り出す。
「ううん、朝は青山さんとずっと仲良く話してて無理だった」
「へぇ、ふたりの世界って感じ?」
「そうなの。とてもじゃないけど割って入れない感じ」
「そっか。所長もどんなチビでデブでハゲかと思ったけど、実際、背も高くて顔も整っててすごいイケメンだもんね」
「だよね、びっくり。……で、青山さんも若くて美人でしょ」
「まぁ、確かにお似合いだね」
ふたりでうなずき合う。
「……すでに付き合ってたりしてね」
「あはは……ん~どうだろ。……付き合ってたら隠したいから、あんまりベッタリしなくない?」
「あぁ、確かにそうかもね。でも、所長ってそもそも独身?」
「あぁ、それなら小林さんに聞いたけど所長は独身らしいよ。指輪もはめてないね」
「じゃあ、なおさら青山さんと何かあるのかもね」
「アピールされてんじゃない?」
「アピール?」
「あたしのものよって」
けど、若くもない、特別美人でもない私にそんなアピール必要か?