銀河の雫
今のやりとりをそのまま伝える。

私を見ながら、静かに話を聞いてうなずいた。

「分かりました。代わるよ」

「……月浦の上席の日向と申します」

静かに相づちを打ちながら聞いている。

「そうですか……優秀な御子息ですね。はい、新しい仕事が決まれば、おっしゃるとおりです。くれぐれも諸支払いは遅れなく続けてくださいね」

所長が受話器を置く。

「……あの……ありがとうございました」

私は立ち上がると、ペコリと頭を下げた。

「研修ではなんて?」

「無職の場合は、融資を受けるのは難しいですと伝えて下さいと」

「そうですか……」

小さくうなずく。

「確かに無職の場合は、審査に通るのは厳しいです。……ですが、働き口さえ決まれば、審査を進めることができます」

「融資は難しいだろうって決めつけてました……」

所長はほほえむと、ゆっくりと口を開く。

「ここは、政府の金融機関です。いわば最終的な受け皿です。ここで借りられなければ、進学を諦めざるを得ない学生さんもでてきます」

「……はい」

「月浦さん、お金がないという理由だけで、将来の希望を失うのは、どうしても避けたいんです」

静かな口調で淡々と、でも優しく私に語りかける。

所長の目を見てうなずいた。



この人が、パワハラ・モラハラ?

そんなのある訳ないでしょ?




けれど、その日向所長のパワハラ・モラハラ疑惑の真相を知る日が近づいていた。

……この頃の私は、全く、知る由もなかった。
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