銀河の雫
「え、独り?」

周りを見回しながら聞いてくる。

「はい……」

小声でボソッと答えた。


「寂しいな」

私は顔が熱くなるのを感じた。

「放っといてください。……所長は?」

「うん……まぁ……」

「お独りですか?」

「放っとけよ」

思わず、くすっと笑った。

「なんだ、同じじゃないですか」

所長も、少しほほえんでいるように見えた。


「よく来るんですか?」

無言でスマホの画面を見せてくる。

「あ、年パスじゃないですか。私も」

そう言って、自分の年パスを見せた。


『俺のこと覚えてないの?』

もしかしたらあの言葉、ここで見かけたことがあって、言ったのかも知れない。

これで疑問解消かな。


「ほら、もう開演だよ、行こう」

促され、入口に向かった。

なんとなく流れで隣の席に座る。


「私、子どもの頃から、好きだったんです」

「えっ」

驚いた顔でこちらを見た。
その反応に思わずぎょっとする。

「あっ、星です、星」

私は天井を指差した。

「あぁ、星ね」

ブザーが鳴ると、ドーム型の天井は暗転し始めた。

「……知ってる」

「……えっ?」

「俺にこれ、くれたよね」

徐々に照明が落ちていく中で、ポケットから何かを取り出した。

「そのキーホルダー……この間の……」

「十五年前……君が俺にこれをくれたんだよ」

「えっ、嘘……」

いつの間にか、プラネタリウムの天井は星でいっぱいになっていた。

「……あっ」

空一面の星空と共に、あの日の出来事がフラッシュバックした。

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