銀河の雫
けど、知らない人と二人きりで沈黙は気まず過ぎる。
そうだ、ここはなんか話題を振らなければ。

「ずっと仙台でお仕事を?」

「いいえ、もともとは東京にいました」

「転勤ですか?」

「……」

思った以上に無口な男性だな。

それとも縁談(わたし)に興味がないからこんな態度?

男性は、ゲホゲホッと、急に咳き込んだ。

「風邪……ですか?」

「はい、こっちに帰ってきてから。妹が風邪を引いてやがって。あいつ、クソっ」

えっ、しゃべると口が悪いタイプ?

それにしてもいきなり初対面の私に妹さんの悪口ですか?

心証悪過ぎるにもほどがあります。

「……あぁ、お大事になさってください」

「月浦さんはずっと東京ですか」

「はい、高校卒業してからずっとあっちです。今は社用車で営業の仕事してます」

「……」

話に全く食いついてこない。
興味ないってか。

それにしても会話が続かないなぁ。

時間が長く感じる。

早く帰りた~い。

いい大人なんだからさ、もう少し会話広げる協力とかしてくんない?

これはさっさと食事を終わらせて、早々に切り上げるとしよう。

「どこに食事に行きますか?」

「……」

「あの……お店……」

「……あ、あそこにしましょう」

男性が、閃いたかのように指差した、その先を見た。

「なんぶっ……あぁ、南部家敷ですね、子どもの頃、行ったなぁ。懐かしー」

そう、田舎のお屋敷風な和のデザインの地元限定のファミリーレストラン。

子どもの頃に行った記憶がある。

いいお店だよ。

だけどお見合いで和風ファミレス!?

せめて食事くらい洒落た店に案内されて、お見合いをしたのも悪くなかったと思いたかった。

もう一度、ちらりと助手席の男を見る。

でも、黄土色の毛玉だらけのニットは、洒落たレストランより、南部家敷がお似合いか。

思わず、ふっと笑った。

やっぱこの男、嫌われようと演技でわざとやってんのか?

……だとしたら、かなりの策士かも。


結局、初対面の男性と二人きりのせいか、食事はあまり喉を通らなかった。

食事を終えると、早々に車に乗り込んだ。

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