銀河の雫
青山さんは、ぎゅっと瞳を閉じた。

涙が頬を伝って流れる。

「じゃあ、私の気持ちに応えてくれるんですか」

かすれた鼻声で俺に聞く。

「……それは、……できません」

「なぜですか? やっぱり月浦さん……」

「私は子どもの頃にいろいろあって……月浦さんは私が唯一、思いを寄せたひとでした」

「……えっ?」

青山さんは、眉間にシワを寄せた。

「けれど、ここで偶然再会したとき、月浦さんは、まったく私のことを覚えていませんでした。つまりは私の片思いということです」

「……何言ってるんですか?」

少し興奮した様子で立ち上がると、俺に近寄ってきた。

「あんな人に片思いなんて。もっとマシな嘘付けないんですか?」

「嘘ではありません」

俺は低いトーンで、淡々と答える。

「なら……私と付き合ってもいいじゃないですか」

首を横に振る。

「この先も月浦さん以外を好きになることは恐らくないでしょう」

「なぜですか……あんな……なんの取り柄もない人」

「取り柄があるから、好きになる……か。私はそうじゃないんです」

「……月浦さんの……一体、どこがいいっていうんですか?」

なおも詰め寄ってくる。

「理由なんて無いです。けど、強いていうなら、それは多分、共感です」

「……共感?」

「上手く言えないけど、自分と似た境遇の彼女に私が勝手に恋を……」

お互い、うつむいたまま、沈黙が流れた。

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