銀河の雫
「しずくなんて縁起の悪い名前だって、母ちゃんが言ってたぞ」

「下に落ちる変な名前」

あの子が同級生にからかわれている。

思わず間に割って入った。

「うるせえ、お前らあっち行け」

「なんだよお前」

「あぁ、こいづ、浮気相手の息子だっちゃ」

俺はその子らを睨みつけた。

「なんだよ……」

いじめっ子が一瞬、怯んだ。

彼女の前に立ち、なおもそいつらを睨みつける。

「いいよ、相手にしてねえで行ぐべ」

いじめっ子たちは走り去って行った。

その子はしくしくと泣いている。

しゃがんで目線に入った。

「なぁ……もう泣くなよ」

まだ、静かに泣き続けている。

「……しずくって、いい名前だなぁ」

ポケットから取り出したハンカチで、そっと涙をぬぐってあげる。

「泣いてないで聞けよ……流れ星は宇宙の雫だ」

彼女は、意表を突かれたような表情で俺を見た。

「流れ星を見るといいことが起こる。だからお前を見るとラッキーなんだぞ」

少し間があって、こくり……とうなずいた。

「俺はしずくって名前、いい名前だと思うぞ」

もう一度、うなずく。

泣き止んだみたいだな。



……よかった。

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