銀河の雫
「だから、つらかったり寂しかったりしたら、夜空を見てみろ」

まだ、暮れてもいない青空を指差した。

ふたりで入道雲が湧いた、夏の青空を見上げた。

「大きな銀河を見ると、つらいことも悲しいことも、なんかちっぽけに思えるからよ」

そして目配せする。

「……な」



ランドセルを二つ担いで、一緒に歩く。

首元を大粒の汗が伝った。

商店街にある『月浦商店』という駄菓子屋の前にたどり着いた。

「……それじゃあ」

軽く手を振り、向きを変えかけたとき、後ろにグイっと引っ張られた。

振り返ると、小さな手が俺のTシャツの裾を掴んでいる。

「どうかした?」

もう片方の手が、そっと、ガラスの小瓶を差し出す。

「……金平糖?」

うん、と、うなずいた。

「俺に?」

再びうなずく。

その小瓶を手に取り、光にかざす。

ピンク、水色、白、黄色の金平糖。

キラキラと光ってまるで星みたいだな。

彼女の目線の高さにしゃがむ。

「……きらきらひかる、おそらのほしよ」

彼女は、つぶらな瞳で俺をじっと見つめた。

「きらきら星。もう音楽で習ったか?」

こくん、とうなずく。

「まばたきしては、……ぼくらを見てる」



……一瞬、彼女がほほえんだ。

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