銀河の雫
ある日の下校中。
上級生が帰り道に立ちはだかる。
「お前、なんで冷泉病院の息子なのに、日向なんて苗字なんだ?」
「……」
「なんだよ、だんまりかよ」
「こいづの母ちゃんが、あの病院乗っ取ったんだべ」
「だがら、優真君は出ていがなきゃならなぐなったんだ」
「全部、お前が悪いんだ」
俺は何も言い返せず、その場に立ち尽くした。
「わぁ~~~~ん」
そのとき、大きな声が聞こえて振り返った。
月浦しずくが俺の後ろで大声をあげて泣いてる。
「こいづ、月浦しずくだべ」
「お前、声でるんだっちゃ」
上級生は身じろいでいる。
「もういい、いぐべ」
上級生たちは、走り去った。
まだ号泣している彼女の顔をしゃがんで覗き込む。
「お前、助けてくれたのか?」
しゃくりあげながら、彼女は首を横に振る。
ただ、泣いただけ……か。
俺は彼女の髪の毛にポンと掌を乗せた。
「それでも……ありがとな」