秘密を食むのは魅惑の唇
お酒が回りすぎて足元がおぼつかない。そんな僕を支えてくれるのは、僕よりも小さい千夏だった。華奢な身体で頑張って支えてくれるのが可愛くて、つい頬が緩む。
(ああ、好きだなぁ)
綺麗な横我を見つめていたのがバレ、彼女はジロリと僕を見た。
「柊斗、意識あるならちょっとは自分で歩きなさいよ」
「んふふ、はぁ~い」
「…なんか、ご機嫌ね」
「うん、楽しい」
「そう。気分悪くなったら早めに言ってね」
そんな会話さえも、恋人の特権だと思えた。
サークル仲間と別れ、街灯がポツポツと灯る静かな道をゆっくりと歩く。
意識はふわふわとしているのに、僕の視線は隣を歩く千夏の横顔に釘付けだった。正確には街灯の下でほんのり艶めく、千夏の『唇』に。
「ねえ、ちなつ……」
「ん? なに、柊斗。もうすぐ駅だから頑張って歩いてよ?」
僕を見上げる千夏の唇が、言葉を紡ぐたびに柔らかく動く。
お酒のせいで、普段は必死に抑え込んでいる自制心のフィルターが跡形もなく吹き飛んでしまっていた。
「あのさぁ……僕、ずっと言いたかったことがあって……」
千夏が不安そうに足を止めたのが分かった。けれど、僕の視線はもう彼女の唇から離れない。
「俺、ちなつの唇が本当に好きなんだ。形も色も、喋るたびに動くところも……世界で1番綺麗だと思う。ずっと、ずーっと見ていたいくらい、本当に好き」
「……はい?」
千夏が素っ頓狂な声を上げたけれど、当時の僕はただ本音を吐き出せた安心感から「えへへ」とだらしなく笑うことしかできなかった。
(ああ、好きだなぁ)
綺麗な横我を見つめていたのがバレ、彼女はジロリと僕を見た。
「柊斗、意識あるならちょっとは自分で歩きなさいよ」
「んふふ、はぁ~い」
「…なんか、ご機嫌ね」
「うん、楽しい」
「そう。気分悪くなったら早めに言ってね」
そんな会話さえも、恋人の特権だと思えた。
サークル仲間と別れ、街灯がポツポツと灯る静かな道をゆっくりと歩く。
意識はふわふわとしているのに、僕の視線は隣を歩く千夏の横顔に釘付けだった。正確には街灯の下でほんのり艶めく、千夏の『唇』に。
「ねえ、ちなつ……」
「ん? なに、柊斗。もうすぐ駅だから頑張って歩いてよ?」
僕を見上げる千夏の唇が、言葉を紡ぐたびに柔らかく動く。
お酒のせいで、普段は必死に抑え込んでいる自制心のフィルターが跡形もなく吹き飛んでしまっていた。
「あのさぁ……僕、ずっと言いたかったことがあって……」
千夏が不安そうに足を止めたのが分かった。けれど、僕の視線はもう彼女の唇から離れない。
「俺、ちなつの唇が本当に好きなんだ。形も色も、喋るたびに動くところも……世界で1番綺麗だと思う。ずっと、ずーっと見ていたいくらい、本当に好き」
「……はい?」
千夏が素っ頓狂な声を上げたけれど、当時の僕はただ本音を吐き出せた安心感から「えへへ」とだらしなく笑うことしかできなかった。