キスから始まる恋は甘くて苦い
 きっと、辰巳のおかげなんだな?
 
 しかし、心なしかやつれたように見えることが気になる。

「辰巳とはうまくいってるの?」

 あからさまには訊けず、控えめな質問をしてみる。

「えっ? どうしてそんなこと、聞くんですか……」

 しどろもどろな反応から、そうでもないことがうかがえた。

「ほたるちゃんはわかりやすいな」
「え?」

 雅也が笑い出したのでほたるは戸惑った。

「元気がないから。辰巳と何かあったんでしょ?」
「……雅也さんは鋭いですね」

 隠しても無駄なことがわかり素直に認める。

「もし悩んでることがあるなら、聞くよ?」

 雅也の言葉に甘えて、ほたるはベッドを挟んで向かいにあるパイプ椅子に座った。

「悩みというか……質問なんですけど」
「うん?」

 ほたるは言葉を選ぶように虚空を見上げた。

「好きな人とは、いつも一緒にいたいと思いますよね?」
「え? うん……そうだね」

 視線を戻して目を合わせてくるほたるに、随分あたりまえなことを訊くんだなと思いながらうなずく。
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