キスから始まる恋は甘くて苦い

Scene29 約束

 泣き疲れて眠ったか。

 ベッド脇でうつ伏せになっているほたるを見守り、メガネの位置を直す。

 本当に……慕われてるんだな。

 雅也はまひるの顔をのぞき込んだ。

「キミはこんなに愛されてるのに。伝わってないのか?」

 冷えた手を取り、静かに語り掛ける。

 誤解は解けたのか?

 まひるは、ほたると自分の関係を変に(かんぐ)り、嫉妬していた。

 いや、そうじゃないからこんなことになったんじゃないか……

 本格的に受験が始まってから次第に疑心暗鬼になっていった気がする。
 今にして思えば、自分との『約束』に追い詰められていたのかもしれない。

 でも、今のほたるちゃんを見たら……きっと安心してくれるはず。

 “彼”と出会った彼女は、僕になんか目もくれないのだから。
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