キスから始まる恋は甘くて苦い
『雅也と同じ大学に行く』

 志望校を絞った雅也の話を聞き、まひるはそう即答した。
 そもそも彼女は将来へのビジョンが不鮮明で迷いがあった。だからこの話は渡りに船だったのかもしれない。 
 でも、そんなことで志望校を決めてしまっていいのか……話し合ったけれどまひるの決意は揺るがなかった。

『もしダメでも、雅也と一緒に受け直すからね』

 一緒にいたいと思ってくれる気持ちは嬉しかったから、雅也もそのときは深く考えずに約束をした。

 けど、もしかしたら……

「僕が心変わりしないかって、そんなことばっかり考えてたの?」

 雅也はまひるの肩を掴んで体を引き離した。

「雅也?」

 語気が強かったのか、まひるが不安げに眉根を寄せる。

「まさか、わざと手を抜いたんじゃないよね?」

 思わず責める口調になって。まひるはうつむき黙ってしまった。

「そんな……どういうつもりだよ。自分の都合で全力を出さないとか……他の人をバカにしてるんじゃないか?」

 雅也は腹立たしさに任せ、まひるの言い分も聞かずに正論を並べ立てた。
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