キスから始まる恋は甘くて苦い
「ごめん……なさい……」
まひるが苦しげに声を絞り出したので、言い過ぎたことに気づいた雅也は手を離した。
「……ごめん」
正義漢ぶって責め立てて、自分は何様のつもりなんだろう?
誰だって打算が働くときはある。自分だってそうだ。まして、今のまひるは情緒が不安定気味だ。
不安にさせた僕にも責任はあるんじゃないか?
いくら妹のように思っていると主張したって、ふたりきりでいることを考えたら気が気ではなくなるだろう。
立場を置き換えたら、まひるの気持ちは容易に想像できる。同じことをされたら何も思わないなんてことはきっとない。
僕は、自分を正当化して……一番大切なことを見失っていたのかもしれない。
「雅也は、いつも正しいよね」
ぼそりとつぶやき、まひるは立ち上がって踵を返した。
「まひる?」
とっさに伸ばした右手が、部屋を出ていく彼女の毛先にふれて。
「待って!」
指先が、そのまま虚空を掻いた――
まひるが苦しげに声を絞り出したので、言い過ぎたことに気づいた雅也は手を離した。
「……ごめん」
正義漢ぶって責め立てて、自分は何様のつもりなんだろう?
誰だって打算が働くときはある。自分だってそうだ。まして、今のまひるは情緒が不安定気味だ。
不安にさせた僕にも責任はあるんじゃないか?
いくら妹のように思っていると主張したって、ふたりきりでいることを考えたら気が気ではなくなるだろう。
立場を置き換えたら、まひるの気持ちは容易に想像できる。同じことをされたら何も思わないなんてことはきっとない。
僕は、自分を正当化して……一番大切なことを見失っていたのかもしれない。
「雅也は、いつも正しいよね」
ぼそりとつぶやき、まひるは立ち上がって踵を返した。
「まひる?」
とっさに伸ばした右手が、部屋を出ていく彼女の毛先にふれて。
「待って!」
指先が、そのまま虚空を掻いた――