キスから始まる恋は甘くて苦い
「僕は、まひるなら大丈夫だって心のどこかで思ってたんだ」

 雅也が天に向かい独白するように吐き出した。

「受験に関してもだけど、僕たちは離れていても平気だっていう自信があった。まひるが人一倍がんばり屋だってわかっていたのに……過大評価して苦しめていたのかもしれない」

 こんなことにならなかったら気づけなかったのかと思うと、情けなくなる。

「僕の気持ちは伝わってると思い込んでいたから。努力が足りなかったかな……」
「伝わってると思います」
「え?」

 今まで黙って聞いていたほたるが口を開き、雅也は彼女の横顔を見やった。

「でも、わかってても不安になるんです。雅也さんは誰にでも平等に優しいから」
「……特別扱いはしてたつもりだけどな」

 ほたるが振り向いて、雅也は困ったように頬を掻いた。

「それでも、好きな人が自分以外の誰かを構ってる姿って……良い気分はしないですよね」
「うん……そうだね」

 束縛するつもりはないけれど、自分の中にもそういう感情があることは否めない。
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