キスから始まる恋は甘くて苦い
「そう。準優勝したよ」
「じゃあ、本選は……」

 瞳の答えに、ほたるは言いよどんで口元を押さえた。
 全国大会の予選に『優勝』しないと本選には出場できない。そう蒼一に教えてもらったからだ。

「残念ながらね。3年生の引退試合になっちゃった」
「…………」

 ほたるは、さながら自分のことのように沈痛な面持ちで押し黙った。

 なんで、あなたが傷ついたような顔してるのよ……
 
 そう言いたい気持ちを堪え瞳は唇を結んだ。
 蒼一は1年生のときの新人戦で優勝していた。2年生では個人戦を優勝し、インターハイの本選に進んだ経歴がある。だから、今年は優勝候補のひとりだった。
 でも結果はふるわなくて……本人もかなり堪えているようだった。

 蒼がどうこうというより、周りが強くなったってことでしょ。

 蒼一は早くに才能を開花したため、勢いがあって当時は敵なしだった。
 ただ、試合の経験を積めば周りも力をつけてくる。決勝の相手はその最たる例だった。
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