キスから始まる恋は甘くて苦い
「これを預かれるのは私しかいなかったの。ごめんね、嫌な思いをさせちゃったかな」
「そんなことないです」
大きく頭を振り、瞳は手紙を受け取った。
「じゃあ、私はこれで」
「えっ、あの……」
「私は大丈夫だよ。元気でね」
神楽は意味深げに瞳を見つめると微笑んで手を挙げた。
「あ、ありがとうございます!」
掛ける言葉が他に見つからず、遠ざかる背中をただ見送る。
「お兄ちゃんから……」
不安と期待で瞳の胸は張り裂けそうに痛んだ。
読みたいけど、読みたくない。
すぐに開封できず、父の運転する車の中でずっと鞄の中を気にしていた。
「寄りたいところがあるから駅で降ろして」
父も母も、娘のワガママを断る気力なんてなかったのだろう。ふたりとも疲れた目で瞳を見送った。
ちゃんと読まなきゃ――
トイレの個室に入り慎重に封を開けると……懸命に書いたことがうかがえる震えた文字が目に飛び込んできた。
「そんなことないです」
大きく頭を振り、瞳は手紙を受け取った。
「じゃあ、私はこれで」
「えっ、あの……」
「私は大丈夫だよ。元気でね」
神楽は意味深げに瞳を見つめると微笑んで手を挙げた。
「あ、ありがとうございます!」
掛ける言葉が他に見つからず、遠ざかる背中をただ見送る。
「お兄ちゃんから……」
不安と期待で瞳の胸は張り裂けそうに痛んだ。
読みたいけど、読みたくない。
すぐに開封できず、父の運転する車の中でずっと鞄の中を気にしていた。
「寄りたいところがあるから駅で降ろして」
父も母も、娘のワガママを断る気力なんてなかったのだろう。ふたりとも疲れた目で瞳を見送った。
ちゃんと読まなきゃ――
トイレの個室に入り慎重に封を開けると……懸命に書いたことがうかがえる震えた文字が目に飛び込んできた。