キスから始まる恋は甘くて苦い
 涙が次から次へと溢れてくる。瞳は声を押し殺して泣いた。

 ここには……思い出が漂ってる。
 
 兄を追いかけるように同じ高校を受けて、時々この駅で待ち合わせをした。そんな日々がずっと続くと思っていた。

 あたしの気持ちは伝えられなかったな……
 
 それとも、気づいてたかな?

 でも、あなたが元気に生きている未来があったとしても――幸せになれたと思う?

 ずっと一緒にいられたかもしれないけど……あたしたちは兄妹(かぞく)だから。

 ロータリーに入っては出ていくバスを、見るともなく眺める。現れては消え、回り続ける様子に輪廻転生という言葉を思い出した。

 もし、生まれ変わることができるのなら……どうか他人でいてほしい。

 彼が謝らないでいられるように。

 想いごと持っていってしまわないように。

 あたしのために、我慢なんかしないで済むように――
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