キスから始まる恋は甘くて苦い
 恥ずかしい……

 何を口走っているのだろう。視線を逸らして前を向くと、車窓に映る自分の泣きはらした顔が映った。

 ひどい顔。

 目の置き所を迷っていると蒼一が耳元でささやいた。

「じゃあ、俺と付き合ってみる?」
「は?」
 
 冗談に冗談で返したのかと思い蒼一を睨みつける。すると、慈しむような眼差しを向けられていた。

「あ……あたしには気がないんじゃなかったっけ?」

 本気で言っているようで瞳は動揺した。

「気がなくても、付き合うことはできるだろ」
「なにそれ、バカにしてんの?」

 蒼一の胸を叩いても、彼は優しく微笑むばかりだった。

 きっと、苦しんでいる人がいたら助けずにいられないんだ。

 お節介も、たまには悪くないかもね……


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