キスから始まる恋は甘くて苦い
「これは、ほたるが俺に渡そうとしてるものなんだな?」
「そういうこと。手紙が入ってるから読んでみれば?」

 怪訝そうな顔をした蒼一に、瞳は「言っとくけど読んでないわよ」と鼻を鳴らした。
 じゃあ、どうしてこれがほたるから俺への物だとわかるんだ……と問うとしてやめた。言われるまま中を見ると、彼女に貸した母親の服が入っていて胸がドキリとした。

 マジで、ほたるから……

「早く読みなさいよ」

 目が合うと瞳に毒づかれて肩を竦めた。服と白い箱の間に手紙があり蒼一はそれを読み始めた。

『洋服ありがとうございました。洗濯は済ませています。心配かけてごめんなさい。すっかり元気になりました。おわびにチーズケーキを焼いたので、良かったら召し上がってください。 ほたる』

 丁寧に書かれた文字を見た蒼一が微笑む。

「わかったらさっさと連絡しなさいよ。今頃探してるはずよ?」

 和んでいる様子を見ているとイライラしてしまい瞳は蒼一を煽った。

「なあ、これって嫌がらせだよな?」
「そうよ」
「真野は犯人が誰か知ってんの?」

 意外に冷静な蒼一に驚く。少しためらったあと瞳は口を開いた。
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