【第2部】 エモパレ ~舞踏会編~ ―偽装夫婦になった私が、オジさま副局長に本当に選ばれるまで―

【完結】あとがきと、作者の感想

◆◇◆◇◆◇◆


◆完結のお礼

 こんにちは。
 第一部と合わせて全82話、最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
 ハルネとヴァルグレイ……二人の結末まできっちりと書き切る事が出来て、本当に良かったと思っています。



◆「エモパレ」というタイトル

 Web小説では、固有名詞のタイトルはあまり好まれません。
 それでも「エモパレ」だけは外しませんでした。
 響きの可愛らしさもあります。
 ですが何より、主人公のハルネの固有能力であり、間違いなくこの物語のテーマそのものなので。

 最終話の「感情のお祭り騒ぎ(エモーション・パレード)」は、正直に言うとめっちゃ力技です。
 でも……
 タイトル回収って、熱くないですか?



◆初期の構想とか

【リセリーナの初期デザイン】
 彼女の最初のキャラデザインは「夫の暴走をただ悲しむだけの奥さん」でした。
 そこからラスボス化し、かなりイカれた女になってしまいましたが、あたしは彼女のようなトチ狂った女性も大好きです。

 彼女の事件後の処分の沙汰は、敢えてだいぶ大人しいモノとしました。
 徹底的に断罪されるべき選択肢もありましたが、ハルネも最後に言っているように、彼女にそれらは全く堪えません。 天災だと思って納得いただければと思います。


【物語の一番最初に考えていた絵】
 エモパレの構想の最初にクライマックスの絵として考えていたのが、
「恋心を拗らせたリセリーナにヴァルグレイが抱き着かれ、あまりの嫌過ぎる具合に、嫌悪の感情色が魔眼封じの眼帯を貫通する」というものでした。
 そこをハルネが
 「オジさまが嫌がってるでしょうが!」とリセリーナに蹴りを入れ、
 「ウチの旦那なんか二回も借金してるのよ!?」
 「なにさ! だからってオジさまはあたしのなんだから!」
 と、彼女とのキャットファイトと罵り合いに派生するグダグダでわちゃわちゃな絵でした。
 そこから整合を考えたりして、大分綺麗になったんじゃないかと思います。


【運命の選択】
 初めの方、第4話の最後でハルネは「リゼラちゃんちに行くか」はたまた「店に戻って調査局を待つか」の二択を迫られました。
 結局はリゼラちゃんちに行って、ヴァルグレイに見つかったり事件に繋がっていったりするんですが、お店に戻った場合の話をしたいと思います。

 店に戻ったハルネは、店先でレルガに会います。
 そこで簡単な聞き取りをされて、調査局との繋がりはそれでおしまいでした。
 サフラン香房はノクスミア事件や西街の婚約破棄事件と、本当に全く関係が無いので当然ですね。

 ヴァルグレイの方も、リゼラちゃんちからの帰路のハルネと出会えずに終わります。
 そのまま南街で怪しい取引をしていた商人と客(ヒョロキモ)を容赦なく捕らえ、ノクスミア事件は一気に進展し、サフラン香房との繋がりも出来ませんでした。

 ハルネの決断がリゼラちゃんちに行く方に傾いたのは、在庫のノクセラ草が心許なかったから。
 そして、あの日に丁度在庫が足りなくなったのは、第2話で姉妹が異能命名ごっこで盛り上がった末の夜更かし。
 その後、安眠を求めてトロ眠ティーを淹れ、二人で飲んだからです。
 物語はちゃんと、感情色の魔眼に「エモパレ」と名付けた日から始まっていた、って事ですね。
 
 ……って言うのを、今、こじつけで考えました。



◆お気に入りキャラ

 あたしのお気に入りはトリサちゃんです。
 もっと出してあげたかったけど、戦闘要員じゃないし、ごめんね。
 最終兵器で出番を作ってあげられたのは良かったです。
 クライマックスはオールスターで臨みたかったので「頼むぞトリサちゃん!」は書いてて熱かったです。

 調査局の面々は出番が薄いのですが好きです。
 シゴデキおねーさんのリオーネさんは、シャリエナがどこかで言及していましたが、恰好がドエロいです。 本人にあまり自覚はありません。
 ヴァルグレイがちょっと彼女に対して壁を作っているのはそれが原因かも?
 


◆作者の好きなシーン/言葉

 一つ目は、第5章の52話のヴァルグレイのセリフ。
 ――――――――――
 「愛する妻に、揃いの物を贈って……何が悪いっ!!」
 ――――――――――
 完全な逆ギレですよね。
 詳しい表情の描写はされていませんが、鬼気迫る――まさに鬼のような表情だったでしょう。

 彼のフォローをしておくと、リセリーナというヤバイ相手に絶対に主導権を渡すワケにはいきませんでした。
 彼女は本当に何をするか分からない。
 相手を怯ませるために決断した、本音の一手です。
 もちろんこの時のハルネは妻(仮)なので、虚言ではあります。
 ただ「愛する」が強く気持ちに出ちゃったんでしょう、きっと。


 二つ目は、第8章の79話で、これもヴァルグレイのセリフ。
 ――――――――――
 「……大丈夫だ、ハルネ。 怖くない」
 ――――――――――
 この後に続くハルネの様相と言葉は、未だに思い出すたびに涙が滲みます。
 このシーンは第一部最終話の36話と対になっています。
 ヴァルグレイは、恋愛には鈍くとも鋭い男ではありますので、どこかハルネが根源的に抱える恐怖には気付いていたのだと思います。
 だから多分、ずっと言ってあげたかった気持ちがあったんじゃないかな。
 自分を魔眼の呪いの恐怖から救ってくれたハルネを、どうにか救いたい。
 ハルネが36話で言ってくれた「怖くないよ」という言葉は、ヴァルグレイの中で本当に色濃く影響を受けたのだと思います。



◆最後に

 このお話は「ぽっちゃりの肯定」がテーマでもありました。

 完結で一つ、達成感があります。
 ハルネに「痩せる」と、最後まで言わせなかった事。
 そして、ヴァルグレイに「ふくよかなキミに惹かれている」と言わせなかった事です。

 なぜならそれらを言わせてしまうと、二人の恋の結論が『体型』に寄ってしまう気がしたからです。
 ぽっちゃりヒロインという属性上、どうしても体型は強く前に出るもので、ハルネも散々コンプレックスを撒き散らしています。

 ヴァルグレイが、ハルネの見た目にも惹かれている描写はありましたが、彼が彼女を愛しているのは存在そのものです。
 ぽっちゃりだから好きなのではなく、ハルネだから好き。
 体型も彼女を象る一部としか思っていないので、結局ヴァルグレイは、ハルネという人間を丸ごと全て抱え込むような、かなり重たい愛し方となってしまったワケです。



 最後にハルネについて。

 好きな言葉をもう一つだけ挙げます。
 第8章の最後の81話。 ハルネの心の中の言葉。
 ――――――――――
 今日も、明日も、明後日も、
 一緒にご飯を食べようね。
 ――――――――――
 ハルネの内心の愛情表現ですが、ここだけちょっと浮いています。
 それくらい彼女にとって「一緒にご飯を食べる」のが、満たされる行為なのでしょう。

 前世のハルネは、好きじゃない仕事に忙殺され、人間関係も希薄で、言ってしまえば不幸な人間でした。
 食べる事だけは好きで、でも孤独で、辛くて。
 だから「誰かと一緒に美味しいご飯を食べる」――それはもしかしたら、前世の孤独を埋める願いなのかもしれません。

 ちっぽけな事ではあります。
 ですが、彼女にとってそれは本当に幸せの象徴なのでしょう。
 食べるという事は安心する事、安心して誰かと同じ食卓を囲みたい。
 それが大好きな人となら、なおさら嬉しいんじゃないかなと思います。

 二人の未来に繋がる結末をきちんと書き切れた今、ハルネに一言だけ言わせてください。


 ハルネ。

 よかったねぇ~~!

 

◆◇◆◇◆◇◆


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 本編を含め、ここまで読んで頂き、本当にありがとうございました。


 久乃亜

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