銀河の雫
「あぁ……」
そちらは法事ね。
「それに……こんな、金髪で色気ゼロのオンナ……本当にすみません」
「いや、そんなことは……」
いや、その男に媚びてない感じは結構好きよ。
うちの母親が男に媚び媚び、セクシー路線ですからね。
「久しぶりに帰省して思い出しましたけど、地元に好きなとこなんて、ひとっつもないんですよ」
「そう……なんですか」
「……場面緘黙症ってご存じですか?」
「バメン……カンモクショウ?」
「私、小学生の頃、その場面緘黙症だったんです」
「……」
「もともと内気だったんです。お絵かきしたり、絵本読んだりが好きで」
「……はい」
「すごく内気で……それで担任教師に標的にされちゃって。心を閉ざして喋らなくなったんです」
「……」
「授業中も、首を縦か横に振るだけ。だから、お地蔵様って呼ばれてました」
少し顔を引きつらせながら、明るい口調で話す。
俺はただ、うなずいた。
「勉強も体育もまるでダメ。友達もあんまりいなかったな、あはは……」
かける言葉を探し続けた。
「家でも独りぼっちで。父親は浮気相手の家に入り浸りで」
「……」
「休日は、母親もパチンコ屋に入り浸ってて。いつも独りで留守番で」
「……」
「平均の法則ってご存じですか?」
「……平均の法則?」
「はい。悪いことばっかり起こると、その分、後からいいことが起こるみたいな」
「あぁ……」
「ずっとその平均の法則を信じてたんです」
「はい」
「そうやって期待しては、騙される繰り返し……笑っちゃいますよね」
「いえ」
……もういい。
咄嗟に彼女を抱きしめたい衝動に駆られていた。
そちらは法事ね。
「それに……こんな、金髪で色気ゼロのオンナ……本当にすみません」
「いや、そんなことは……」
いや、その男に媚びてない感じは結構好きよ。
うちの母親が男に媚び媚び、セクシー路線ですからね。
「久しぶりに帰省して思い出しましたけど、地元に好きなとこなんて、ひとっつもないんですよ」
「そう……なんですか」
「……場面緘黙症ってご存じですか?」
「バメン……カンモクショウ?」
「私、小学生の頃、その場面緘黙症だったんです」
「……」
「もともと内気だったんです。お絵かきしたり、絵本読んだりが好きで」
「……はい」
「すごく内気で……それで担任教師に標的にされちゃって。心を閉ざして喋らなくなったんです」
「……」
「授業中も、首を縦か横に振るだけ。だから、お地蔵様って呼ばれてました」
少し顔を引きつらせながら、明るい口調で話す。
俺はただ、うなずいた。
「勉強も体育もまるでダメ。友達もあんまりいなかったな、あはは……」
かける言葉を探し続けた。
「家でも独りぼっちで。父親は浮気相手の家に入り浸りで」
「……」
「休日は、母親もパチンコ屋に入り浸ってて。いつも独りで留守番で」
「……」
「平均の法則ってご存じですか?」
「……平均の法則?」
「はい。悪いことばっかり起こると、その分、後からいいことが起こるみたいな」
「あぁ……」
「ずっとその平均の法則を信じてたんです」
「はい」
「そうやって期待しては、騙される繰り返し……笑っちゃいますよね」
「いえ」
……もういい。
咄嗟に彼女を抱きしめたい衝動に駆られていた。