銀河の雫
幸せにしたい……

そんな感情が、抑えきれないほど湧き上がってくる。

なおも彼女は言葉を絞り出す。

「相手の言葉に振り回されてばかりで……自分が悪いって分かってるんですけど」

横顔を見つめ、うなずいた。

「誰といても、分かり合える気がしなかった」

「……そう……なんですね」

感情を押し殺したまま、淡々と返事を続ける。

「何の陰りもない人と一緒にいても、そこには行けないって感じるんです」

「……僕も分かります。そういう気持ち」



大学時代、付き合っている女性はいた。

相手は学友で、資産家の一人娘だった。

俺も一応は病院の息子だから、相手の親も付き合いを了承していた。

それなりに相手のことも好きだったつもりだった。

このまま流れで結婚するのかとすら思っていた。

……けれど家に招待されたとき、目の当たりにした、彼女と両親の関係性。

非の打ちどころのない幸せな雰囲気。

普通ならそれが一番だろう。

大切に育てられた娘……何の問題もない。

なのに俺はその日を境に、彼女に対する興味を全くと言っていいほど、失ってしまったのだった。

共感することができず、妙に冷めてしまった……



……だからその言葉の本質が俺には理解できた。

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