銀河の雫
舟はゆっくりと川面を進み、折り返し地点に到着した。

散策するように船頭さんに促された。

岸に上がってふたりで歩く。

木の古びた橋を渡り、先へと歩みを進めた。

「これって運玉ですよね、あの穴に入れると願いが叶うんでしたっけ」

彼女が対岸を指差して言った。

ポケットから小銭を出して料金箱に入れた。

今、叶うとしたら……

願いはただひとつ。

川岸に立ち、対岸の穴めがけてそれを投げ始めた。

「あんまり見えないですね、入りますか」

「僕、野球部だったんですよ」

「あぁ、そうなんですね」

いくつか投げたけど、玉は穴に入る前に川に落ち、虚しく音を立てた。

最後に残った玉を親指でなぞる。

「絆」と刻まれている。

思わずぎゅっと握りしめた。

「これで最後……」

願いを込めて力いっぱい投げた玉は、カンッと音を立てた。

「あっ、すごい、多分入りましたね」

「……はい。入りました」

思わず顔がほころぶ。

「何かお願いしたんですか?」

動揺を隠すように、前を歩きながら答えた。

「……内緒です」
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