銀河の雫
「……あの、お見合いは、女性側から仲人さんにお返事するものだと母から聞きました」
駐車場まで歩きながら彼女に切り出した。
「あぁ、そう……なんですね」
鼓動が速くなるのを感じた。
「でも、今回はもし良かったら、僕のほうから返事させてもらえないでしょうか」
「……」
彼女は怪訝な表情を浮かべた。
無理もないか。
「……分かりました。それじゃ、お願いしますね」
彼女はドアを開けて、車に乗ろうとした。
ふと、何か思い出したように、振り返った。
「これ、さっき、そこのお土産屋さんで買ったものなんですけど」
小さい紙の包みを差し出す。
「なんですか?」
「舟下りのチケットのお返しです。気に入ってもらえるか分かんないですけど」
軽く手を振り、車に乗り込む彼女。
「……ありがとう」
「それじゃあ」
「車、気を付けて」
動き出す車。
運転席の窓が開いた。
彼女が手だけ出して振っているのが見えた。
暗闇の中に、ブレーキランプが二つ赤く灯る。
スローモーションのように、静かに、車は走り去って行く。
……それが彼女を見た最後だった。
手渡された包みを開いた。
ガラス玉と雫のかたちの飾りが付いたキーホルダーだった。
目の前にぶら下げて、街灯の明かりにかざしてみる。
まるで、あの星空が詰めこまれてるみたいだな。
それから十五年が経ち、ある日、突然、再び彼女が目の前に現れた。
……止まったままの時計が、また動き出した。
駐車場まで歩きながら彼女に切り出した。
「あぁ、そう……なんですね」
鼓動が速くなるのを感じた。
「でも、今回はもし良かったら、僕のほうから返事させてもらえないでしょうか」
「……」
彼女は怪訝な表情を浮かべた。
無理もないか。
「……分かりました。それじゃ、お願いしますね」
彼女はドアを開けて、車に乗ろうとした。
ふと、何か思い出したように、振り返った。
「これ、さっき、そこのお土産屋さんで買ったものなんですけど」
小さい紙の包みを差し出す。
「なんですか?」
「舟下りのチケットのお返しです。気に入ってもらえるか分かんないですけど」
軽く手を振り、車に乗り込む彼女。
「……ありがとう」
「それじゃあ」
「車、気を付けて」
動き出す車。
運転席の窓が開いた。
彼女が手だけ出して振っているのが見えた。
暗闇の中に、ブレーキランプが二つ赤く灯る。
スローモーションのように、静かに、車は走り去って行く。
……それが彼女を見た最後だった。
手渡された包みを開いた。
ガラス玉と雫のかたちの飾りが付いたキーホルダーだった。
目の前にぶら下げて、街灯の明かりにかざしてみる。
まるで、あの星空が詰めこまれてるみたいだな。
それから十五年が経ち、ある日、突然、再び彼女が目の前に現れた。
……止まったままの時計が、また動き出した。