銀河の雫
なぜか俺の課に入ってくる派遣社員は定着率が悪い。

聞かれたことは、丁寧に教えているし、何の心当たりもない。

どうしてなのか……

そんなことを考えているうちに、課長たちが続々と入室し、気難しい顔が会議室に並ぶ。

そのまま一般職員も含めたミーティングが続き、慌ただしさが増す。

そして派遣社員が次々と入ってきて、賑やかになっていく。



「日向課長、いえ、所長。おはようございます。今日もよろしくお願いします」

まっ先に笑顔で挨拶してきたのは、派遣社員の青山さん。

このセンターに配属されてから、五年以上経つベテランの派遣社員さんだ。

青山さん、ここの仕事を熟知している。

俺がここに配属されたばかりの、まだ勝手が分からない頃から、いろいろと教えてくれた。

そして、俺に対してとても愛想がいい。

上司として慕ってくれている。



……いや、違う。




他の課長や職員への態度と、俺への態度。

明らかに違って見える。

こういうことは何度かあった。

決してうぬぼれている訳ではない。

俺が結婚指輪をしていないからか?

誰かが「日向は独身だ」とでも、告げ口して回ってるのか?

じっと俺を見てきて目が合うとほほえんだり、相談があるので飲みに連れて行ってくれないかと誘って来たり……

そのたびに相手の気持ちを上手くかわしてきたつもりだ。

間違っても、一ミリも特別扱いなんてしない。


好感を持ってもらえるというのは、ありがたいことではある。

が、その気はないので面倒でもある。
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