銀河の雫
「おはようございます。本日付で所長に就任しました日向陽 です」
……この人が、例の所長!?
「みなさんすでにお分かりだと思いますが、本日から新体制になりました……」
全然チビでもデブでもハゲでもない。
「先日まで教育ローンセンター東北支部でしたが、東日本広域・教育ローンセンターの新体制になりました……」
……ってか、フサフサ。
ゆるくウェーブがかかった黒髪は、ナチュラルにセンター分けされ無造作に後ろに流してある。
身長だって百八十センチか、それ以上ありそうな感じ。
スタイルが良くて、まるでファッション誌から飛び出したよう。
「……今まで東北の教育ローン案件だけを取り扱ってきました」
色白で涼しげな目元に、鼻はツンと尖っていて端正な顔立ち。
「本日からは関東教育ローンセンターとの統合により、東北のみならず関東一都六県を加えた超大型審査部門となります……」
けど、この人が所長って、若すぎない?
私と同じくらいか、少し上って感じ!?
……そっか、超エリートの幹部候補だって噂だもんな。
いかにも仕事ができそうなオーラを放っているなぁ。
警戒する心とは裏腹に、放心したまま、うっとりと見とれた。
いやいやいや……油断するな。
首を横にブンブンと振る。
この人は底意地が悪くて、私を陥れようと企んでいるに違いない。
心の声に、自分で軽くうなずいた。
見た目に惑わされるな、私。
コロッと騙されたら今までの二の舞だ。
けれど、この日向所長って、なんかどこかで見覚えがある顔だな。