銀河の雫
課ごとの朝礼が始まった。

所長が目の前まで来る。

そして愛想のない無表情で言った。

「先ほどもお話ししました通り、桧山課長は引継ぎが遅れていてまだ着任できていない状況です」

七課の人たちが、皆、うなずく。

「もともと私が課長をしていたのもあり、引き続き私が決裁を行います」

……そうか、今までこの課の人たちは、この所長の下で働いてたのね。

くわばら、くわばら。

「新しい派遣さん、自己紹介をお願いします」

うゎっ、きた!

「あっ……本日からお世話になります、月浦しずくと申します。ご迷惑をおかけするかもしれませんが、よろしくお願いします」

パチパチパチパチ……と、軽い拍手。

所長の横顔を見る。

無表情のまま、こちらを見向きもしない。

「それと、月浦さんの向かいが派遣の高橋さん、その横が職員の後藤さん……」

名前を呼ばれると、皆さん、会釈してくれた。

「……月浦さんのお隣が職員の斎藤さん、その隣が派遣の青山さん」

所長は静かに話し続ける。

「繁忙期に入ってみんな自分の業務で多忙だから、何度も同じことを質問しないようにね」

「……はい」

「重要事項についての質問は決裁者の私にしてください」

私はうなずいた。

「早速だけど、今日は月浦さんが電話当番だから、お昼休憩は執務室で取って下さい」

初日から電話当番か。

今日は薫さんとお昼、行けないな。

少しがっかりして席に座る。

机上を整理していると、所長がファイルをこちらに差し出す。

< 22 / 49 >

この作品をシェア

pagetop