銀河の雫
なんだかちょっと少年みたい。
可愛いところがある人なんだな。

「さぁ、そろそろ出発しますよ」

船頭さんに促されて舟に乗り込んだ。

静かに動き出す木の小舟。

船頭さんに促されて空を見上げる。

そこには満天の星空が広がっていた。

「地元に好きなとこなんてないって、さっき言いましたけど、好きなもの見つけました」

私は夜空を指差した。

「こんな銀河、東京では見えません」

「はい、仙台でもこんなに沢山の星は見えません」

思わず息を呑んだ。

「……ずっとここにあったはずなのに、あまりにも身近過ぎて気が付きませんでした」

男性は黙ったまま、うなずいた。

夜空を埋め尽くすような、この星々の煌めき。

きっと一生、この空を忘れることはないだろう……

まるで零れ落ちそうな、満天の星空をしばらくふたりで眺めていた。



「では、そろそろ、一曲唄わせていただきます」

私たちは、パチパチパチ……と拍手をする。


船頭さんが、げいび追分を唄い始めた。

静かなせせらぎの中に、澄んだ歌声が響いては消えていった。

暗闇の中、水面に霧が湧き、ゆったりと進み続ける舟を包み込む。

視界の先にぼんやりと、オレンジ色の光を灯した桟橋が見えてきた。


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