銀河の雫

「……もう、着きますね」

「そうですね。……月浦さんは、週明けから東京で仕事ですか?」

「はい。そちらは?」

「僕も明日、仙台に戻ります」

「そうですか……」

そこからお互い黙り込み、舟から降りた。

「月浦さん、お見合いでは、先に女性側から仲人さんにお返事するものだと、母から聞きました」

駐車場まで歩きながら、相手は口を開く。

「あぁ、そうなんですね」

横を歩く男性の顔を見上げた。

「でも、今回はもし良かったら、僕のほうから返事させてもらえないでしょうか」

「……」

ん、どういうこと?

断られるのは俺のプライドが許さないから、こっちから振ってやるって話?

まぁ、でもそう言うんならそれでもいいか。

そのほうが楽だし。

「分かりました。それじゃ、お願いしますね。ありがとうございました」

「こちらこそ、ありがとうございました」

運転席のドアを開け、振り返り、男性を呼び止めた。

「あのっ……」

お互いに再び歩み寄る。

「これ、さっき、そこのレストハウスで買ったものなんですけど」

「なんですか?」

「舟下りのチケットのお返しです。こんなものしかなくて……」

「……ありがとう」

小さな紙袋を渡す。

男性はそれを軽く掲げて、笑顔を作った。

「それじゃあ」

「車、気を付けて」

「はい、それじゃあ、行きますね」

私は、振り返って軽く手を振ると、車に乗り込んだ。



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