銀河の雫
「そりゃ、嫉妬だね」
「嫉妬?」
翌日のお昼休み、いつもの席でランチをしていた。
薫さんは私の耳に顔を寄せて小声で言った。
「そんなの見てたら分かるよ、青山さんってさ所長にベッタリ。あからさまじゃない」
「うん……まぁね」
「目がハート」
「薫さんもやっぱりそう思う?」
「モチのロン。だからいつも所長を独占してるしずくさんに嫉妬してんだね」
「でも、青山さんあんなに若くて美人だし、所長だって私なんかアウトオブ眼中っしょ」
「そうかな……」
薫さんはコンビニのホットコーヒーを口に運んだ。
「だってあのふたり、見た目もお似合いじゃない?」
「う~ん、そうか?」
「そうだよ、なんで私なんかを敵視する必要あんのよ」
「青山さんからしたら、そうでもないのかもよ」
「えー?」
「しずくさんもさ、寂しいんじゃない? 所長が出張で来週まで会えないじゃん」
「はぁ? もう、薫さんまで? からかい過ぎだから」
「あたしまでって? もしかして……所長にもからかわれてんの?」
「うん、テレビのリモコンのネタ、いまだに言ってくる」
「あはは……あんとき聞こえてたんだね、ウケる」
「もう、薫さん」
ちょっと膨れて見せた。
「……そうだ、メールってさ、職員さんに確認してもらいながら送信するんだよね」
「だね、個人情報だからね。間違えると情報漏洩につながる。派遣同士でチェックはダメ、絶対に」
「分かった。情報漏洩は一番まずいもんね」
「うん、完全アウト。やらかしたら、東京本社まで報告されるから気を付けないとね」
「怖いね~、それだけは絶対に嫌だわ」
顔を見合わせて肩をすくめる。