銀河の雫

「ねぇ月浦さん、さっきはちょっときつい言い方になってごめんね」

背後から青山さんの声が聞こえ、体がビクンと跳ね、こわばった。

「いいえ、とんでもないです。私のほうこそ質問が多くてすみません」

「そういえば午前中に話してた、あのメールの案件どうしたかなと思って」

桧山課長に質問をしていたのを聞いていたのか。

「準備はしてあります。職員さんが戻ってきたら一緒に確認してもらおうと思っていま……」
「あぁ、それね、私、任されてるから、私で大丈夫」

まくし立てるように言い放つ。

「えっ、でも……」

「見てあげるから、とりあえず開いてみて」

「あぁ……はい」

気圧されて、開くだけならと思い従った。

「じゃあ、この内容をここに貼り付けて、添付ファイルもね」

「……はい」

「じゃあ、メアドをコピペして」

「いや……あの、でも、急ぎでもないですし、職員さんにチェックしてもらってから送ります」

「私の言うことが聞けないんですか? これは課長の指示ですから」

なおも、早口でまくし立て、私を急き立てる。

「……」

「じゃあ、私がやりますから!」

青山さんは私の手を払いのけてマウスを操作した。

「あっ、青山さん、待ってください」

画面に『メッセージは正常に送信されました』の表示が出た。

「新人なのにどうして言うこと聞けないワケ? 仕事はおっそいし。っとにサイアク」

言い捨てると、青山さんは執務室から出て行ってしまった。

全身から血の気が引いて、何も考えられなくなった。

マウスを握る手が小刻みに震え、頭の中が真っ白になる。
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