魔法がなくても


防御魔法をつけて、そう伝えると乃蒼は地面に仰向けで寝転がった。


「やだやだっなにそれー!同居にくわえ星羅の魔法つきペンダント!?信じらんない!」

「はぁ……だだっ子ですか。子供みたいなことを」

「中学生は子どもだーい!」


地面でジタバタとする乃蒼。

ああ、マントが……。

言い返す気力もないのか、シエルはやれやれと目を伏せる。


……思っていた通り。乃蒼は怒った。というより不機嫌になったの方が正しいかな。
 


そして数人の生徒が通っていく中、うわーんとさわいでいた乃蒼が落ち着くのを待つこと数分──


何かを思いついたように起き上がった。


「分かった!へんにゅー生、ぼくと勝負だ!」


勝負?と私たち三人の声が重なると、乃蒼は力強く頷いてみせる。


「魔法勝負して、ぼくが勝ったらぼくのお家に来ること!」

「一応聞いておきますが、編入生が勝った場合は?」

「うーん……ぼくのお家に来る?」

「……なら勝負の意味がないでしょう。それに編入生は魔法が使えないそうですよ。その真意は知りませんが」

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