魔法がなくても
「あ、明日からはコツコツためて食べ物の分とかもろもろ出すから!それと……君たちにもね」
しゃがんで白ちゃんとツララを撫でる宙くん。
何かもらえるのわかり、二人はなんだか嬉しそう。
「ありがとう。バレッタ、大事に使うね」
「はいっ……じゃなかった。うん!」
追いかけられたり、がっかりしたり、今は疲れた顔をしていたのに、お礼を言えば疲れなんてありませんという笑顔が向けられ、笑顔を返して、私は受け取ったバレッタを見つめた。
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「あれ、星羅それ新しいの?」
「うん、もらったんだ」
昼休み、食堂でランチを前に待っていれば合流した桜がすぐにつけていたバレッタに気づいた。
今日は授業で一緒になることがなかったのに、気づくのが早い。
「もらったって、例の?」
「宙くん。おーさんのところでバイトするって」
「おーさんのもとなら安心──」
周りの皆がランチ中だというのに、煙がたつほどの勢いで走ってきた、乃蒼。
あきれながら奥からは二人分のトレーを持ったシエルが歩いてきていた。
「ぼくの耳に、宙くんって聞こえた!バレッタって……あのへんにゅー生!ぼくの星羅に!ゆるさん!」