魔法がなくても

そくざに立ち上がった理事長は棚の方へと怒った。

怒られたのは理事長のお世話係兼……学園の医者である子供姿の先生。
名前も本当の姿も明かさず使い魔であったことしか分からないため、子供先生と呼ばれている。
ちなみに理事長からは子供くん。

年中白衣を引きずり、ダークなオーラをまとう。
医務室以外の場所ではごくまれにしか姿を見せなく、いたずら好きもあって、オバケと間違われたり。

でも、子供先生の本当の姿は理事長だけが知っている、との噂。

いたずら成功を棚の影から見て不気味に笑っている。

……まさか、私のにも?


「大丈夫、君のにはいれていないから……クフフ」


うーん……

その笑いのせいか、あまり安心できない……。

自分の紅茶を見つめると、理事長に取られてしまった。


「……おいしいにゃん。これよ!この甘さがワガハイは飲みたかったの!なのに……まったくもう」


飲み干され空になったティーカップだけがもどってくる。……いや、大丈夫ですけども。
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