魔法がなくても
さらさらとくせのないきれいなベージュ髪にターコイズの瞳、身長もありスラッとしていてまさに王子様って感じだ。
女の子たちの例えに心の中で共感しつつ、私は残りのパンを口に入れた。
ん?今……編入生と目が合った、ような?
気のせいかな、なんて思っているとその王子様は私たちのテーブルの前にきて止まった。
自然と私たちの視線は編入生へと向かう。
「やあ、はじめまして。僕は六野優利。どうぞよろしく」
やわらかい笑顔を向けられもまるで私にだけ挨拶をしているように、差し出された手と視線は私だけに向いていた。
……そんな風に感じるだけ、なわけないよね。
で、でもとりあえず挨拶は返さなきゃ。
そう思って手を伸ばしかけるも、それより早く乃蒼が手をにぎっていて。
乃蒼の隣にいた宙くんまで、だめだと言わんばかりに私の伸ばしかけた手をつかんだ。