愛してるの期限が切れる前に
子どもを危険な目に遭わせるなんて、母親失格だ。
「花、ごめん……っ。ママがいけなかった」
「ままぁぁ――っ」
首にしがみついてきた花を思いきり抱きしめた。
体調の悪さから、注意が散漫になっていたのだ。いつも道を渡るときは注意できていたことが、できなくなっていた。車通りが少ない道だからと油断していたせいもある。そのせいで花を危険な目に遭わせてしまったのだ。
ほんの少しの油断が取り返しのつかない未来へ繋がる。
百花はあの一瞬、人生の分かれ道に立っていたのだと思い知らされた。
「無事でよかった……っ」
押し寄せる激しい後悔と、無事だった安堵に涙が止まらない。
「……もも」
「――っ!?」
そんな百花に、背後から強ばった声が百花を呼んだ。
(え?)
びくっと肩を奮わせて男を振り仰げば――。
「――な、……んで――」
予想だにしていなかった人物に、百花は茫然自失となった。
百花たちを助けて下敷きになっていたのが、玲桜だったからだ。
四年ぶりに生で見る実物の玲桜は、想像以上の破壊力があった。
昨日見た雑誌通りの造形……いや、写真で見るより頬がシャープだ。加工前より生身の方が美しいのだから、なんて恐ろしい人だろう。
いつもはカラーコンタクトで隠している目の片方だけ、モルフォ蝶色になっている。転倒した拍子にコンタクトが取れてしまったに違いない。
玲桜は百花と目が合うと大きく目を見開き、わずかに瞳を揺らした。
「玲桜……なの?」
食い入るように玲桜を見て、百花は掠れ声で問いかけた。
「花、ごめん……っ。ママがいけなかった」
「ままぁぁ――っ」
首にしがみついてきた花を思いきり抱きしめた。
体調の悪さから、注意が散漫になっていたのだ。いつも道を渡るときは注意できていたことが、できなくなっていた。車通りが少ない道だからと油断していたせいもある。そのせいで花を危険な目に遭わせてしまったのだ。
ほんの少しの油断が取り返しのつかない未来へ繋がる。
百花はあの一瞬、人生の分かれ道に立っていたのだと思い知らされた。
「無事でよかった……っ」
押し寄せる激しい後悔と、無事だった安堵に涙が止まらない。
「……もも」
「――っ!?」
そんな百花に、背後から強ばった声が百花を呼んだ。
(え?)
びくっと肩を奮わせて男を振り仰げば――。
「――な、……んで――」
予想だにしていなかった人物に、百花は茫然自失となった。
百花たちを助けて下敷きになっていたのが、玲桜だったからだ。
四年ぶりに生で見る実物の玲桜は、想像以上の破壊力があった。
昨日見た雑誌通りの造形……いや、写真で見るより頬がシャープだ。加工前より生身の方が美しいのだから、なんて恐ろしい人だろう。
いつもはカラーコンタクトで隠している目の片方だけ、モルフォ蝶色になっている。転倒した拍子にコンタクトが取れてしまったに違いない。
玲桜は百花と目が合うと大きく目を見開き、わずかに瞳を揺らした。
「玲桜……なの?」
食い入るように玲桜を見て、百花は掠れ声で問いかけた。