愛してるの期限が切れる前に
財力に知力、権力を兼ね揃えた彼なら、世界だって無双するのも夢ではないのかもしれないが、そんなことは百花たちのあずかり知らない場所でやってくれればいい。
「それはそうと、保育園と仕事先に連絡入れないとまずいんじゃないのか?」
「え? あ……」
そう言われて携帯の時刻を見れば、登園時間ぎりぎりになっていた。
「まずい」
「よね? だから、今から言うところに電話したらいい。全部うまくやってくれる奴だよ。番号は」
「ちょ、ちょっと!」
百花の都合も聞かず番号を言い始めるものだから、百花も慌てて数字画面に切り変えた。「これ、誰の携帯?」
「いいから。出たらわかる」
玲桜は知った相手だからいいだろうが、百花は彼の関係者とは繋がりたくないのだ。
(知らない人に電話するの、苦手なんだけどな)
だが、花を人質同然にとられている今、彼の言うことを聞くしかなかった。
発信ボタンを押して携帯を耳に当てる。
「あぁ、スピーカーでいいよ。出たらすぐ伝えて」
面倒ごとに巻き込まれる予感しかない命令から、今すぐにでも逃げ出したい。
どうしてこんなことに、と思いたくもなるが、発端は百花にあるからこそ歯がゆかった。
一コール目で通話になった。
『――お前、今どこに』
「”れ、玲桜と結婚する”」
携帯越しに聞こえた男の声に被さるように、百花が言われたとおりの言葉を告げた。
『――……は? え、君誰?』
知らない声に、百花はもう無理だと首を横に振って玲桜に携帯を向けた。
玲桜は満足そうに頷いて、「よくできました」と目を細めた。
「それはそうと、保育園と仕事先に連絡入れないとまずいんじゃないのか?」
「え? あ……」
そう言われて携帯の時刻を見れば、登園時間ぎりぎりになっていた。
「まずい」
「よね? だから、今から言うところに電話したらいい。全部うまくやってくれる奴だよ。番号は」
「ちょ、ちょっと!」
百花の都合も聞かず番号を言い始めるものだから、百花も慌てて数字画面に切り変えた。「これ、誰の携帯?」
「いいから。出たらわかる」
玲桜は知った相手だからいいだろうが、百花は彼の関係者とは繋がりたくないのだ。
(知らない人に電話するの、苦手なんだけどな)
だが、花を人質同然にとられている今、彼の言うことを聞くしかなかった。
発信ボタンを押して携帯を耳に当てる。
「あぁ、スピーカーでいいよ。出たらすぐ伝えて」
面倒ごとに巻き込まれる予感しかない命令から、今すぐにでも逃げ出したい。
どうしてこんなことに、と思いたくもなるが、発端は百花にあるからこそ歯がゆかった。
一コール目で通話になった。
『――お前、今どこに』
「”れ、玲桜と結婚する”」
携帯越しに聞こえた男の声に被さるように、百花が言われたとおりの言葉を告げた。
『――……は? え、君誰?』
知らない声に、百花はもう無理だと首を横に振って玲桜に携帯を向けた。
玲桜は満足そうに頷いて、「よくできました」と目を細めた。