一緒にいたくて男装執事になったのに~嫉妬と溺愛とまりません~【隣国編】☆編集中です
問題を一瞬で解決した私は、勢いよく扉を開き廊下に飛び出した。
人の気配は全然なくて「やっぱりねぇ〜!」と、得意気に船上に続く階段を駆け上がっていく。
あと、少し……!
外から響く懐かしいあの音に、ドキドキとしながら一気に駆け上がる。
バッと扉を開けて船上に出た瞬間、夜の潮風が勢い良く体を包み込んだ。
それと同時に──ドーーーン!!
大きな音と光が辺り一面に弾けた。
誘われるように見上げる先には、色鮮やかに夜空を埋め尽くして広がる花火。
私の知っている前世での花火とは少し違っていて、それは不思議な光を纏って、圧倒的な美しさで輝いていた。
「わぁぁあああぁ……!!なにこれ……!!」
シュミーズ姿なんてことは、もうすっかり頭の中にはなくて、私は吸い寄せられるように甲板まで走ると、手すりに掴まり、身を乗り出す。
花火の上がる先は、明日到着する予定のメルティアーナの方からだった。
この世界での花火は、よく王城で打ち上げられているけれど、王城になんて寄り付かなかった私はこの世界で初めての花火体験だ!
「この世界の花火……すごい!すごい!すごーい!!!」
はしゃぐ私の頭上で、次から次へと空に打ち上がる花火は、虹色のように色鮮やかに光り輝く。
花火の周りには星屑のようなものがキラキラと広がり、流星のようにあちらこちらに流れ落ちていった。