一緒にいたくて男装執事になったのに~嫉妬と溺愛とまりません~【隣国編】
「……?ギル様も花火を見に来たんですか?」
「……ほんとにお前ってやつは……。なぁリリィ、お前は女だということを忘れているのか?下着姿で外をうろつく女がいると思うか?他の客や船員に見られたらどうするつもりだ?」
そう言ってギル様は、私に被せていた上着で私を包み込み、誰にも見せまいというようにぎゅっと力強く抱きしめた。
「ギ、ギル様……く、くるしいですっ……」
「は?お前が悪いんだろう?花火を見たいならこれぐらい我慢しろ。本当は今すぐにでも部屋に帰らせたいぐらいだ」
むすっと不機嫌な顔をしながらも、少しだけ力を緩めると、私が花火を見れるようにと頭の上から被せていた上着を肩にかけなおしてくれた。
そして、後ろから再び抱きしめなおしたギル様は、私が周りから見えないようにしてくれている。
「……こ、この姿のことは……ご、ごめんなさい。花火に気を取られて……忘れてました……えへへ……」
「花火の音がしてお前が好きだろうと思って部屋に訪ねてみればお前はいないし……、見つけたと思えば下着姿で甲板ではしゃいでいるし……そんな女見たことないんだが?」
「うぅ……ごめんなさい……」