一緒にいたくて男装執事になったのに~嫉妬と溺愛とまりません~【隣国編】
申し訳なくなってしまってだんだんと俯いてしまう私の後ろから、ため息を吐いたあとに優しい声が降ってくる。
「花火を見たかったのだろう?許してやるから、ほら顔を上げてちゃんと見ろ」
いつだって私のことを考えてくれているギル様に、やっぱり大好きだな……と、気持ちが込み上げてくる。
後ろから優しく抱きしめてくれるギル様の体温にドキドキと胸が高鳴り、静かな夜の船の上で、私の胸の音と花火の音だけが響いた。
一人であんなにはしゃいでいたけれど、こんな風に好きな人と見る花火は、さっきよりも一段と綺麗に見えて、格段に感動する。
すぐに気持ちが高ぶってしまう私は、この感動がいつの間にか口からこぼれ落ちる。
「こんなに綺麗で素敵な花火をギル様と一緒に見れて私とっても嬉しいですっ!こんな風に大好きな人に抱き締めてもらいながら見る花火はすっごく最高ですね!!」
「……ふっ、そうだな」
ついこぼれ落ちた言葉に、優しく相槌を打つギル様。
幸せな時間だと思った。