一緒にいたくて男装執事になったのに~嫉妬と溺愛とまりません~【隣国編】
ギル様に連れられ、船の乗降口までたどり着くと目の前に広がる見慣れない街。
国の出入口であるこの港の周りには、たくさんの出店が並びたくさんの人々が行き来していて活気に溢れていた。
思えば、屋敷の中でばかり過ごしていた私にはこの光景がとても新鮮だった。
さっきまでの羞恥心は吹き飛び、目の前の光景に私の目は輝きだす。
魔法の国と聞いていたけれど、街並みの見た目は私たちの国と変わりはない気がする。
そして、いろんな出店があるせいで美味しそうな匂いが漂ってくる。
第一印象は……そう。
美味しそうな国!!!
「ふっ、気に入ったか?」
「……はいっ!!!ギル様!!美味しそうなものがいっぱいありますよぉ〜!!」
「気になるなら、行ってみるか?」
私の顔を見てギル様も嬉しそうに笑う。
「はいっ!!わぁー……なににしようかな……どれもこれも美味しそう!!!」
「くれぐれもはしゃぎすぎて迷子にはなるなよ?さすがに従者と手を繋ぐことはできないからな……離れるなよ?いいな?」
ギル様がとても心配そうに念を押してくる。