一緒にいたくて男装執事になったのに~嫉妬と溺愛とまりません~【隣国編】

そして、相変わらず私を見て笑うギル様が、一つの馬車の前で立ち止まった。


「この馬車で王都まで向かう」

「はぁーい!」


そして、私の返事を聞くとなぜだか「少し待て」と、珍しく私より先に馬車に乗り込んでしまった。
不思議に思いながらもギル様に続いて、馬車に乗り込もうとした時


綺麗な手がすっと伸びてきた。


驚いて顔をあげると、そこには黒髪をサラッと揺らし綺麗な顔でこちらを見つめるギル様が、静かに口を開いた。

「あからさまなエスコートはまずいだろ?」

そう言って、馬車の中から手を差し伸べていた。


さり気ない女の子扱いに、胸が一気にきゅんと音を立てる。

私をいつだって特別扱いするギル様は、世界で一番かっこよくて私だけの王子様だ。

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