一緒にいたくて男装執事になったのに~嫉妬と溺愛とまりません~【隣国編】

自然に顔が緩んで、ギル様の手をきゅっと握る。

「ふふふっ……ありがとうございます!」

私の返事を聞くと同時に、男らしい強い力でぐっと引き上げてくれた。


馬車に乗り込むと同時に、手を引かれたその勢いのままギル様に「えいっ!」と、飛びついた。

勢いがあり余って、支えきれなかったギル様と共に馬車の座席になだれ込んだ。


目が合ったその瞬間に、喜びの言葉を口にする。


「ギル様は王子様みたいですねっ!!」

「何を言っているのだか……まぁ、お前の王子ならそれも悪くないけどな」


私の王子様発言に呆れたように笑いながら、片腕で私を抱き寄せると、落とさないようにゆっくり体制を起こした。

そして、私を片膝に乗せたまま、窓の外をチラリと見る。


「こんな姿を誰かに見られたら大変なことになりそうだな」

「ふふふっ!私をこんなに嬉しくさせたギル様のせいですよ?」

< 45 / 56 >

この作品をシェア

pagetop