一緒にいたくて男装執事になったのに~嫉妬と溺愛とまりません~【隣国編】
「恋ってすごいですね!素敵ですねっ!」
「まぁ、そうだな」
恋の凄さに目を輝かせていると、馬車がゆっくりと動き出した。
王城に向かうまでの秘密の二人時間。
ガタゴトと揺れだす車内で、浮かれている私は相変わらず少しだけドジで「わわっ!」と、ふらつく。
そんな私を、落ちないようにと素早くぎゅっと抱き寄せるギル様。
私の失態にくすくすと笑うギル様が、意地悪に口を開く。
「本当に手のかかる婚約者だな?」
「それでもいいんですよね?」
私もイタズラに返事をして、クスクスと二人で笑い合う。
あと少しで王城だ。
王城に着けば、きっとギル様は忙しくてこんな時間は少なくなってしまう。
あと少しだけギル様を独り占めっ!
王城に慌ただしく向かう馬車の中で、静かにこっそりと、束の間の二人時間を楽しんだ。