シークレット―世界は守れますが、恋の仕方はわかりません―
「パイセン!」

「その呼び方やめろ」

「もうよくないっすか?」

「よくない」

「今日で二日目っすよ?」

「二日で何が変わるんだ」

「俺たちの絆?」

「できてない」

「即答!」

 中庭を歩きながら、大我が胸を押さえる。

「傷ついたっす」

「元気そうだな」

「心がっす!」

「そうか」

「興味持って!」

 直充はそのまま歩く。

「ていうか直充さん、どこ行くんすか?」

「帰る」

「早くないっすか?」

「今日はもう講義ない」

「じゃあ遊びましょうよ!」

「何で」

「暇だから!」

「昨日も聞いた」

「今日も暇なんす!」

「知らない」

「パイセン!」

「やめろ」

 そんなやり取りをしていたときだった。

「あっ!」

 大我が声を上げる。

 直充もそちらを見る。

 少し離れた植え込みの前に、希美と女子学生。

 そして、ふわりとした茶色の髪。

 梨来がいた。

 何かを探すように、植え込みの下を覗き込んでいる。

「昨日の人っすね」

「ああ」

「何してるんだろ」

 大我は迷わずそちらへ向かった。

「聞いてきましょう!」

「何で」

「気になるから!」

「お前は何でも気になるな」

「好奇心旺盛って言ってください!」

 直充も結局、そのあとを歩いた。
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